烏有文集 二〇二二年十月後半

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2022.10.16 [日] 

2022.10.16 [日]



二日前から読み始めています。

 

p.70 ジョージの背後には「両親」がいるが、その背後にはさらに「国家」がある。

江藤淳『成熟と喪失 ―〝母〟の崩壊―』(講談社文芸文庫)

 

日本の男は自分の属するコミュニティの外部に出ていくという経験が希薄である。しかし家を出て一人暮らしすることによって、現代人は生まれ育った家から出ることに成功したといえる、のだろうか。たしかによその土地に移り住むことはできた。しかし日本全国どこにいったとしても、所詮タコつぼの中、どこを切っても金太郎あめ状態であると喝破する社会学者の存在もある。

自分は一週間くらい前から、二十歳のときに海外の夜を徘徊していたことを思い出している。あのころに考えていたことはなんだったか。そこからいまに至るまでに何を感じ、どんな変化が自分の内外に起こったか。成熟したともいえない。喪失したものはなんだったか。本書における成熟と喪失とは違った意味での問題提起になっているけれども。

自分と親との関係はどうであったか。父からも母からも極力影響を受けないようにしてきたつもりであっても、結局その影響下にあったことは否めない。いまの自分が書きたいものはなんだろう。父や母をどう考えるのか。社会や、国家について、本当に思う処はあるのかどうか。つらつら考えながら読み進めています。

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Author : sougen

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